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サービスを止めたのに、特商法だけ「月額480円」のままだった

公開: 2026-08-19 · 著者: GRAMSHIFT

止める作業のリストに載るのは「動いているもの」だけで、文章は取り残される

サービスを止めたのに、特商法だけ「月額480円」のままだった

個人開発でサービスを畳むとき、やることは意外と少ないと思っていました。課金を止めて、ログインを閉じて、トップページに「おやすみ中です」と書く。実際そこまではやってありました。

今日、そのサイトを別件で見に行って、フッターのリンクを何気なく開いて固まりました。特定商取引法に基づく表記が、まだ「月額 480円(税込)」を掲示していたのです。

トップと法務ページで、書いてあることが違った

並べるとこうなります。

トップページ(正しい)
  「現在おやすみ中です」
  「ログイン・お支払いはすべて停止しています」
  「今後、このサービスで料金が発生することはありません」

特定商取引法に基づく表記(古いまま)
  販売価格 : 月額 480円(税込)
  解約について : マイページよりいつでも解約できます

利用規約(古いまま)
  「本サービスには無料の範囲と、有料プラン(月額制)があります」
  「解約はマイページからいつでも可能です」

さらに悪いことに、その「マイページ」は存在しません。実際に叩いてみると、こうでした。

/mypage      404
/login       404
/register    404
/dashboard   404
/choose-plan 404
/billing     404

つまり「いつでも解約できます」と案内している導線が、クリックしても404になる状態です。課金が動いていないので実害は出ていませんが、書いてあることと実態がずれているのは事実で、しかもそれが特商法の表記という、いちばん正確であるべき場所でした。

なぜトップだけ直して満足してしまうのか

理由ははっきりしています。サービスを止める作業のとき、頭にあるのは「動いているもの」だけだからです。課金、認証、ジョブ、通知。止めるべき機能を全部止めて、トップに告知を出したら、作業が終わった感覚になります。

法務ページは「機能」ではないので、そのリストに乗りません。しかも普段は誰も見ないので、間違っていても気づく機会がない。止めた瞬間からずっと間違っている文章が、静かに公開され続けます。

同じ日に、もう1件まったく同じ型の事故を踏んでいました。別のサービスのプライバシーポリシーから「アプリ内の設定から権利を行使できます」という一文を削除したのですが、上書き前のバックアップが同じディレクトリに残っていて、削除したはずの文章が別のURLで読める状態だったのです。どちらも「文章のほうだけ実態から取り残される」という同じ話です。

止めるときに直す場所のリスト

今回の反省として、サービスを止めるときのチェック先をこう決めました。動いているものを止めたあと、「そのサービスについて何か書いてあるページ」を全部開くという手順です。

  • 特定商取引法に基づく表記 — 販売価格、支払方法、解約方法。価格を消すのではなく「現在提供を停止しています」と明示し、停止前の価格も残しておくと、過去の利用者にも誠実です
  • 利用規約 — 有料プランの条項。丸ごと消すのではなく「現在は提供を停止しています。以下は提供時の定めです」と前置きを足すのが素直でした
  • プライバシーポリシー — 「新たに個人情報を取得することはありません」の一文。保有している情報の扱いは残す必要があるので、削除ではなく追記です
  • 案内している導線が生きているか — 「マイページから解約できます」と書いたなら、そのURLを実際に叩く。これが今回いちばん効きました
  • 最終更新日 — 法務ページの日付が古いままだと、直したこと自体が伝わりません

逆に、触ってはいけないものもあります。今回の特商法ページには、まだ現役の別製品(買い切りアプリ)の節が同居していました。ここを巻き込むと、生きている製品の表記を壊します。作業前にその製品の購入導線が生きていることを実物で確認してから、対象を止めたサービスの節だけに絞りました。

直したあと、外から見て確かめる

置き換え作業そのものは、置換の対象がちょうど1件であることを検算してから流しました。そのうえで公開URLを取り直して、次の3つを機械で確認しています。

  • 「提供を停止しています」が本文に出ている
  • 「マイページよりいつでも解約できます」が消えている
  • 同居している現役製品の節が残っている

3つ目が大事です。「消したいものが消えたか」だけを見ると、消してはいけないものまで消えたことに気づけません。消えたことの確認と、残ったことの確認は、必ず両方書くようにしています。

持ち帰れる形にすると

  • サービスを止める作業のリストに、「そのサービスについて書いてある文章」を必ず入れる。動いているものを止めるだけでは終わらない。
  • 特に特商法・利用規約・プライバシーポリシー。普段誰も見ないぶん、間違ったまま何か月も残ります。
  • 文章の中で案内している導線は、実際に叩く。「マイページから解約できます」の一文は、マイページが404なら嘘になります。
  • 価格や条項は削除より「停止中」と明示するほうが誠実で、過去の利用者にも読める形が残ります。
  • 直したら消えたことと残ったことを両方確認する。片方だけだと、巻き込み事故に気づけません。

畳んだサービスは、しばらくすると自分の記憶からも消えます。だからこそ、止める日にまとめて直しておくのがいちばん安いのだと思います。

よくある質問

サービスを停止したら、特商法の表記はどう書き換えるべき?

価格の行を消してしまうより、「現在、提供を停止しています(新規の申し込み・課金は行っていません)」と明示し、停止前の価格も併記するほうが誠実です。事業者名・責任者・所在地・連絡先といった必須項目はそのまま残します。あわせて解約方法の欄も、存在しない画面を案内していないかを確認してください。

利用規約の有料プランの条項は削除すべき?

丸ごと削除する必要はありません。停止した事実を先頭に足して「以下は提供時の定めです」と位置づけるのが素直です。過去に利用していた人にとっては、当時の条件が読める状態のほうが親切ですし、削除すると何がどう変わったのかが外から分からなくなります。

文章を直したあと、何を確認すればいい?

公開URLを取り直して、(1)新しく書いた文が出ていること、(2)消したかった記述が消えていること、(3)同じページに同居している現役の記述が残っていること、の3つを見てください。3つ目が抜けると、消してはいけないものまで消した事故に気づけません。ファイルを書き換えた事実は、公開が変わった事実とは別です。