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Claude vs Gemini を実プロジェクトで使い比べたコスト

公開: 2026-05-19 · 著者: Sasaki Ryuji

AI API選びは個人開発の月コストを左右する最重要判断です

Claude vs Gemini を実プロジェクトで使い比べたコスト

あなたが個人開発で AI API を使うとき、Claude と Gemini のどちらを選ぶか悩むはずです。両方とも高品質、両方とも本番運用に耐える、しかしコスト構造と得意分野が違います。私は両方を実プロジェクトで並行運用しているので、その実測値を残します。月60本の記事生成、議事録要約、コード補完の3つで、それぞれ見えた差を共有します。

用途別の実測コスト

2026年5月時点での主要モデル料金とコスト実測値はこんな感じです。記事1本あたり入力5K + 出力5K トークン想定で計算しています。

  • Gemini 2.5 Flash: $0.10 / $0.40 per 1M tokens → 1記事あたり約 0.4円、月60本で約 24円
  • Gemini 2.5 Pro: $1.25 / $10 per 1M tokens → 1記事あたり約 6円、月60本で約 360円
  • Claude Haiku 4.5: $1 / $5 per 1M tokens → 1記事あたり約 3円、月60本で約 180円
  • Claude Sonnet 4.6: $3 / $15 per 1M tokens → 1記事あたり約 9円、月60本で約 540円

大きく安いのは Gemini 2.5 Flash です。月60本で 24円は、コーヒー1杯より安い水準です。ただし Gemini Flash には無料枠 (1日 1500 リクエスト) があり、それを超えると 24時間後までレート制限がかかります。私は実際にこの制限に到達して、量産時の戦略を見直すことになりました。

記事生成の品質差 — 日本語AI臭の出やすさ

記事生成で最も差を感じるのは「AI臭」の少なさです。Claude (Haiku/Sonnet) は日本語の自然さで Gemini Flash より一歩リードしています。とくに「大きく」「目立った」「明確に」といった副詞が Gemini Flash では頻発しやすく、プロンプトで禁止しても5-10%の確率で出てきます。Claude では同じプロンプトで 1-2% に抑えられます。

体験談調の文章 (saas-diary のようなジャーナル型サイト) では、Claude の自然さが効きます。一方、技術リファレンス的な記事 (ai-pick.tech のような) なら、Gemini Flash でも品質は十分です。「文章の温度感」が要求される記事は Claude、「情報密度」優先の記事は Gemini Flash、という使い分けが私の経験則です。

議事録要約での比較

1時間の打ち合わせ音声を文字起こしして要約するタスクで、両者を比較しました。入力 15K トークン (文字起こしテキスト)、出力 1K トークン (要約) の構成です。

Gemini Flash は速度が大きく速く、要約は約 3-5秒で完了します。コストは1回あたり約 0.5円。Claude Haiku は約 5-8秒、コストは約 1.5円。要約の品質は Claude のほうがやや構造的で、議題ごとに整理されたフォーマットになります。Gemini Flash は時系列的に要約する傾向があります。短時間で要点だけ欲しいなら Gemini Flash、議事録として後で読み返すなら Claude、という使い分けです。

コード生成での比較

コード生成は Claude が明確に強い領域です。私の体感では、複雑な実装 (Stripe webhook の冪等性処理、Electron 自動アップデートなど) を依頼すると、Claude Sonnet 4.6 は1発で動くコードを返してくれる確率が約 80%、Gemini 2.5 Flash は約 50% です。エッジケース処理 (try-finally、エラーハンドリング、型安全性) が Claude のほうが行き届いています。

逆に、シンプルなボイラープレート (CRUD の REST エンドポイント、フォーム作成など) なら Gemini Flash で十分通用します。コスト 1/9 で同等の結果が得られる場合があります。

並行運用の現実解

私の現在の運用は、用途別にモデルを使い分けるハイブリッド構成です。ai-pick.tech の量産記事は Gemini 2.5 Flash、saas-diary.com の品質重視記事は Claude Sonnet 4.6、議事録要約は Gemini Flash、複雑なコード生成は Claude Sonnet 4.6。これで月コストは合計約 1,000-2,000円程度に収まっています。

「1モデルに統一」も管理シンプルで魅力的ですが、用途ごとに最適化した方がコストパフォーマンスは数倍良くなります。個人開発でAPIコストをケチりすぎるとサービス品質に影響するので、月数千円の範囲で最適配置するのが現実解だと考えています。

AI API運用ノウハウは技術ログカテゴリ、料金設計判断はビジネスカテゴリに他にも蓄積しています。