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Netlifyの無料枠はどこまで無料か — 300クレジットの中身と、サイトが止まる条件

公開: 2026-09-04 · 著者: GRAMSHIFT

帯域だと思って見積もると外れる。先に減るのはデプロイ回数

Netlifyの無料枠はどこまで無料か — 300クレジットの中身と、サイトが止まる条件

Netlify の無料プランは「無料のまま使えるが、使い切ると落ちる」という設計です。先に3点にまとめます。

  1. 無料プランは 月300クレジットのハードリミット。超過しても自動課金は発生しません。代わりにサイトが止まります
  2. 止まるのは「使いすぎたサイト1つ」ではなく、そのチームの全プロジェクト。訪問者には Site not available が出ます。
  3. いちばん先に効くのは帯域ではなく本番デプロイ(1回15クレジット)月20回で300を使い切ります。1日1回デプロイする運用は、無料プランに収まりません。

私は ai-pick.tech 系のメディアサイトをこの枠で運用していて、実際に深夜にクレジットが尽きて配信が止まりかけ、その晩のうちに別のサーバーへ移したことがあります(Netlify無料枠が深夜に枯渇した話と緊急移管)。この記事は、そのとき「先に知っておきたかった」数字を公式ドキュメントから並べ直したものです。

無料プランの中身:300クレジットと、その単価

Netlify は現在、帯域やビルド時間をそれぞれ別枠で数えるのではなく、すべてを1つのクレジット残高から引く方式です。無料プランの配分は月300クレジット。単価は次の通りです。

本番デプロイ          15 クレジット / 1回
帯域                  20 クレジット / 1GB
コンピュート          10 クレジット / 1GB時間
ウェブリクエスト       2 クレジット / 10,000リクエスト
フォーム送信          クレジット消費なし
AI推論               180 クレジット / AIモデル利用 1USD分

ここから、300クレジットを1種類だけに全部つぎ込んだ場合の上限が出ます。

本番デプロイだけに使う   → 20回
帯域だけに使う           → 15GB
リクエストだけに使う     → 150万リクエスト
コンピュートだけに使う   → 30GB時間

実際にはこれらを同時に消費するので、どれも上限には届かないまま合計で尽きます。「15GBも使っていないのに止まった」が起きるのはこのためです。

詰まるのは帯域ではなくデプロイ回数

個人開発で無料枠を先に食い潰すのは、ほぼデプロイです。1回15クレジットは、ビルドが3秒でも30分でも同じです。ビルド時間は課金対象として数えられていません。回数だけが効きます。

この単価を運用に当てはめると、こうなります。

月に20回デプロイ  →  300クレジット  … 帯域ゼロでちょうど上限
1日1回デプロイ    →  450クレジット  … 月の半ばで停止
1日3回デプロイ    →  1,350クレジット … 1週間で停止

記事を書くたびにデプロイするブログや、CI から main へのマージごとに本番へ出す構成は、アクセスがゼロでも無料枠を超えます。「アクセスが少ないから無料で足りるはず」という見積もりが外れるのはここです。

逆に言えば、デプロイをまとめれば無料枠はかなり保ちます。書き溜めて週1回まとめて出す運用なら、デプロイは月4〜5回=60〜75クレジット。残り225クレジットを帯域に回せば約11GBです。小さなサイトなら現実的な範囲に収まります。

使い切ると何が起きるか

ここが無料プランでいちばん重要な仕様です。公式ドキュメントはこう書いています。

Once your monthly credit allotment is used up for all web projects on your team, all of your web projects (sites/apps) are paused and visitors to your web projects will find a Site not available page at each of your web project's URLs.

(チームの全ウェブプロジェクトで月間クレジットを使い切ると、すべてのプロジェクトが一時停止され、訪問者は各URLで Site not available ページを見ることになります)

停止中は次のことができません。

  • 新しいウェブリクエストを受け付けない(=サイトが表示されない
  • フォーム送信を受け付けない
  • 新しい本番デプロイを実行できない

3つ目が地味に効きます。「軽くして出し直す」という復旧手段が塞がれます。画像を圧縮したから直る、という話にできません。復旧は次の請求サイクルを待つか、有料プランへ上げるかの二択です。

そして止まる範囲がチーム単位なのが、いちばん見落としやすい点です。1つの実験用サイトが暴走すると、同じチームに置いた本命のサイトも一緒に落ちます。無料プランで複数サイトを同居させるなら、これは事前に織り込んでおく必要があります。

「請求が爆発する」心配は無い、代わりに落ちる

無料プランにはハードリミットがかかっていて、購入オプション(自動チャージ等)はありません。バズって帯域が跳ねても、翌月に高額請求が届くことはありません。この点は、従量課金のホスティングより安心できる設計です。

ただしその裏返しとして、いちばんアクセスが集中している瞬間にサイトが消えます。「落ちるのと請求が来るの、どちらが困るか」を先に決めておく話であって、無料プランは前者を選んだプランだ、と理解するのが正確です。なお繰り越しもありません(繰り越しは月5,000クレジット以上の Pro プランの条件付き機能です)。

無料プランに向くもの・向かないもの

ここまでの数字から、私の判断はこうなりました。

  • 向く — デプロイ回数が読める静的サイト、ドキュメント、ポートフォリオ、デプロイプレビュー目的の検証環境。プレビューデプロイは無制限なので、レビュー用途とは相性が良いです。
  • 向く — 更新をまとめられるブログ。週1デプロイなら余裕があります。
  • 向かない毎日更新するメディアサイト。デプロイ回数だけで上限に当たります。私が移管したのはこの型でした。
  • 向かない — 落ちてはいけないもの。収益導線や、アプリからのリンク先を無料プランに置くと、月末に静かに消える可能性を抱えることになります。
  • 向かない — 本命と実験を同じチームに同居させる構成。巻き添えで全部止まります。

やっておくと安いこと

  • 月の初めに、想定デプロイ回数×15 を先に引いておく。残りが帯域に使える分です。この一手だけで「思ったより早く尽きる」はほぼ防げます。
  • 落ちて困るサイトと、落ちてもいいサイトを同じチームに置かない。停止はチーム単位です。
  • 止まったときの逃げ道を、止まる前に決めておく。停止中は新規デプロイができないので、その場で考える時間はありません。私は深夜に決めることになり、移管に3時間かかりました。
  • 自動デプロイのトリガーを見直す。プッシュのたびに本番へ出す設定は、無料プランでは回数がそのままクレジットです。

Netlify の無料プランは、条件を知ったうえで使えば十分に強いです。落とし穴があるとすれば、それは「帯域の枠」だと思って見積もったのに、実際に減らしているのはデプロイ回数だったという一点に尽きます。


※ 本記事のクレジット単価・停止時の挙動は Netlify公式ドキュメント「How credits work」および同「Billing FAQ」2026年9月4日に確認したものです。料金体系は変更されることがあるため、実際の判断前に公式の最新値をご確認ください。

よくある質問

Netlifyの無料プランは、使いすぎると課金されますか?

課金されません。無料プランは月300クレジットのハードリミットで、購入オプション(自動チャージ等)がありません。ただし超過すると請求ではなくサイトの停止が起きます。訪問者には Site not available が表示され、次の請求サイクルまで、または有料プランへアップグレードするまで復旧しません。

300クレジットは、実際どのくらい使えますか?

1種類だけに使った場合の上限は、本番デプロイなら20回、帯域なら15GB、ウェブリクエストなら150万回、コンピュートなら30GB時間です。実際は同時に消費するため、どれも上限に届かないまま合計で尽きます。個人開発でいちばん先に効くのはデプロイ回数で、1回15クレジットはビルド時間の長短に関係なく一定です。

使い切ると、止まるのはそのサイトだけですか?

いいえ、チーム上のすべてのウェブプロジェクトが停止します。実験用のサイトがクレジットを使い切ると、同じチームに置いた本命のサイトも一緒に落ちます。さらに停止中は新しい本番デプロイもできないため、「軽量化して出し直す」という復旧手段が使えません。落ちて困るサイトと、そうでないサイトは分けておくのが安全です。